企業の枠を超えた共創によるICT基盤整備の実現を目指して

我が国は、優れた先端情報技術を有する技術立国であると同時に、自然・文化・気候・食において類まれな特徴を有する観光資源を有しています。一方で、世界は大きな変革の時にあり、SDGsを中心とした新たな社会の在り方をもとめて様々な試みが進められています。そして我々は、この変革の時こそ、「地方創生」を進め「継続的成長」を成し遂げるための布石を打つ、チャンスかつ重要な局面であると理解しています。 この状況を鑑み、スマートシティサービスによる地域情報社会の高度化と永続化、ポストコロナを見込んだ新しい観光立国構築の推進、社会全体のICT化の実現などを通し、観光を含む各地域の幅広い業種が一丸となって取り組める環境づくりを進めて参ります。すなわち、従来取り組んで参りました観光ICTに加え、その適用範囲を拡大した地域社会ICTの2つを柱とし、今後も継続的に社会貢献に取り組みます。

これらの実現には、地域住民やその地域を訪れるみなさまに、ICTを用いた高度かつ気配りの利いたおもてなしサービスを提供することが重要です。地域の衣食住を支えるインフラの利用便宜を向上させ、サービスの質を高めること、国内利用者のみならず訪日外国人のお客さまからみた観光体験の質を高めることを念頭に先進的ICTおもてなしサービスを構築し、顧客価値、提供満足度を向上させる取り組みを推進します。さらに、多様な商品・サービス・ソリューションを提供している企業の参画と、企業の枠を超えた商品開発や事業活動といったパートナーシップの構築を同時に達成することで、その推進を加速します。

会員間の技術や資本を生かした商品開発や販売・宣伝・物流の開拓や高度化による新たな統合マーケティングは、対象地域の生活者や行政のみならず社会すらも巻き込み、業界の枠や国境すらも超えた、広く共存共栄する未来の共創モデルの構築にもつながります。当協議会はこの共創モデルの構築に貢献します。

一般社団法人 おもてなしICT協議会
理事長 西宏章(慶應義塾大学 教授)